OUTBREED

日夏の名古屋を中心にしたごく個人的な音楽・演劇メモです。 最近はほぼtwitter(@outbreed_t)でつぶやいてます。

劇団☆新感線「吉原御免状」(マチネ) 東京・青山劇場

10月の大阪公演を観に行く予定だったのですが、この3連休(の1日目)に東京方面へ出張と決まって「ええー、ヤダなあ」と言いつつ、内心「チャーンス!」とニヤリング。チケットを急きょ手配して行って参りました。


いやいや、回る回る盆が回る。吉原の町のセットを盆回しすることによって町並みを表現してるのに感心。あれ、セッティングに失敗したら大変なことになりそう(場面に影響は無かったけど「ひょっとしてトラブってる?」と思えたところもありました)。
堤真一はいきなり台詞噛んで笑かしてくれましたがその後は特に問題なく。殺陣もスピードあるし、声が良いなあと見惚れました。見た目も演技も正統派なのでNHK大河ドラマを観てるような気分になりますね。新感線舞台で二枚目の主役ってことで去年観た「アオドクロ」染五郎と比較してしまうのですが、やっぱり染五郎は動きが独特なので堤さんの方が観やすい気がします。
じゅんさんが暴れ者じゃない役を演ってるのが珍しいです。パンフで『いのうえさんは劇団員をステップアップさせようとしてるんだと思う』と書いてありましたが、そういえば粟根さんもメガネをかけてませんでした。これもステップアップの一歩なのかも(いや、真面目な話)。そうそう、「アラスタ」で活躍したメタルさんは背丈と頭身が他の人と違うなあとしみじみ。
そしておひょいさんこと藤村俊二70歳。凄くオイシイ役を演じきってます。ぴったり。今、60代、70代のテレビ初期を引っ張ったコメディアンの人たちがいろんなとこでパワフルに活躍してて頼もしいですよねえ。元気なうちにあれこれ参加して若い人に存在感を見せつけておいて欲しいものです。
女優陣では松雪泰子が美しかったです。原作の「吉原御免状」は読んでなかったんですが、隆慶一郎で舞台が吉原ならお色気シーンあり!?と思ってたら、予想以上にエロかった。京野ことみの背中とか(脇から胸のふくらみが…)、松雪泰子の脚とか、高田聖子の彫り物入りの背中とか、堤真一のふんどしいっちょの後ろ姿とか。もっと突っ込みたいけど自主規制(笑)。気になる方はオペラグラス必須で観に行って下さい。
しかし松雪演じる勝山太夫の殺され方(絶命はしてないが)は惨い。帰りに本屋で原作を確認したら更に酷い仕打ちをされてて、たとえお芝居の中、話の中のことでもかなり重い気分になりました。
仕方ないシーンとは思うけど未だに思い出すとなんかイヤ…。


カーテンコールは3回プラス罰ゲーム(?)&4回目で「ピーターじん」と名札を付けた村木仁さん(他二人)がピーターパンのカッコして唄い踊ってました。可笑しいけど、せっかくの余韻が壊れるじゃん…。ワタシはあんまりこーゆーのは好きじゃないなあ。
話の進行に合わせて変わっていく衣装(小峰リリー)も見応えあり、照明も相変わらず「どーやってやってるんだ?」と思える使い方で楽しませてくれます。ちょっと今回は音楽の印象が弱かったような。
いのうえさんや中島さんにしたら原作ありってのはやりにくいと思うんだけど、隆慶一郎モノは新感線に合ってると思うのでまたやってもらいたいです。次は「一夢庵風流記」でぜひよろしく。


もらった演劇系チラシが全部で厚さ5ミリくらいになったんだけど、この中で名古屋公演が含まれるものは2枚だけ。
G2プロデュースの「BIGGEST BIZ 〜最後の決戦!ハドソン川を越えろ〜」も結局名古屋は飛ばされたし。
あーあ。
(9/19追記)