劇団☆新感線 「蛮幽鬼」(マチネ) 大阪 梅田芸術劇場メインホール
劇団☆新感線2009秋興行 松竹プロデュース“いのうえ歌舞伎”INOUEKABUKI SHOCHIKU-MIX『蛮幽鬼』
出演:上川隆也/稲森いずみ/早乙女太一/橋本じゅん/高田聖子/粟根まこと/山内圭哉/山本亨/千葉哲也/堺雅人/他
当日券で観てきました。当日券を前日にTEL予約出来るって便利ね〜。
斜め上から舞台を観たのですが、盆回しとセリの使い方を立体的に観ることが出来てセットの凄さを堪能しました。
後半、クライマックス近くの立ち回りで太一くんの刀がすっぽ抜けたのか客席最前に飛びました。
素手のままその後の殺陣(ちょっと素手対刀は不自然すぎるw)をこなし、上川・稲森・山本・太一4人が話す長いシリアスシーンへ…が
『刀落ちたのはアクシデントよね?この後も殺陣あるよね?太一くん引っ込むシーンあるの?どうなるの?』
と、観てる方は話より刀をどうするかにハラハラ。
結局、上川さんが機転を利かしたみたいで毒で倒れる際に不自然なほど遠くに刀を落とし(笑)、太一くんはそれを拾って戦う、というシーンに繋げました。
「ガラスの仮面」の赤ん坊人形の首が落っこちるシーン並のハプニングでしたよ。
刀が飛んだ時はかなりの勢いだったんでヒヤリとしました。前の方の席で観る人は殺陣を演じる人同様に危険が伴いますな。
しかしこういうアクシデントはなあ…役者が気を付ける以外防げないよねえ。かといって防止のために殺陣を少なくしたり動きを小さくされるのもヤダし。難しいね。
この件で落ち込んでたのか(?)カーテンコールで太一くんはあまり笑顔は無く、去り際に飛ばしちゃった客席の方に片膝ついて礼してました。お客さんたちは大喜びしてたけど。
お話は「いのうえ歌舞伎版巌窟王」。
個人的に「巌窟王」は前田真宏監督のアニメ「巌窟王」の印象が非常に強くて、あんなふうにジリジリじわじわと破滅に追い込んで行くのかしらと期待してたら、こちらのエドモン・ダンテスならぬ伊達土門は人間的に優しすぎるのかそれとも上演時間の問題か(笑)仇敵をわりとあっさり死なせちゃう(裏で陰謀があったとはいえ)ので拍子抜け。まあ話の主題が復讐だけでなく笑顔の殺し屋「サジ」との絡みにあるせいなんでしょうけどね。
非常に印象的だったのはサジが死んだシーン。
波のように這うスモークの中に俯せに倒れているサジ、白い衣装の美古都に黒い衣装で抱えられている飛頭蛮、背を向けている黒いマントの蔵人と、私が観たアングルだとほぼ白と黒しかない、見事なくらいモノクロのシーンになって思わず息を呑みました。映像のようで不思議な光景でした。
適当に。
- 上川隆也
- ええ声〜〜。セリフだけでゴハン三杯はいける。「SHIROH」よりこっちの方が好きだな。
- 稲森いずみ
- 演技的には良いんだけど、顔の細さと小ささが舞台向きではないような。
- 早乙女太一
- 殺陣が明らかに一人だけ違ってて面白い。他の人は刀の動きが直線的なのに彼は円形なのね。
- 橋本じゅん
- あまり笑いどころの無い話だからこそ大活躍(笑)。「松井ー!阪神かオリックスに来てくれー!!」
- 高田聖子
- お色気サービスシーンあり。…えっと。聖子さんも年取ったなって。←あわわ
- 粟根まこと
- アー写ではV字前髪だったのに実際は真横ぱっつん。役柄上あまり殺陣が無いのが残念。
- 山内圭哉
- じゅんさんの息子役というのがどうもピンと来ないのはハゲ頭だからか。
- 山本亨
- 生き残るしヒドイ目に遭わないし、さりげなーくオイシイ役かと。
- 千葉哲也
- まともな人に見えて実はちょー悪い男。でもあれって結構楽な死に方だよね…。
- 堺雅人
- 笑顔の殺し屋。この公演で堺さんの顔の筋肉がおかしくならないかと心配です。しかし外見と中身が違う役ってこの人に合うなー。
- 他
- 右近さんの大王、よし子さんの鹿女の死にっぷりがステキ。「女の又力(マタヂカラ)と書いて努力の努!」には参りましたw